龍馬伝第38話「霧島の誓い」あらすじと史実|お龍との新婚旅行と天逆鉾

龍馬伝 第38話のオリジナルサムネイル 龍馬伝 各話のあらすじ

『龍馬伝』第38話「霧島の誓い」は2010年9月19日放送。お龍と薩摩で療養する龍馬は霧島山と天逆鉾に触れ、今後の生き方を考えます。一方、岩崎弥太郎は土佐商会の仕事へ進み、第二次長州征討が迫ります。新婚旅行の伝承と龍馬の手紙、幕長戦争の史実を分けて解説します。

第38話「霧島の誓い」はどんな回か

第38話「霧島の誓い」は2010年9月19日放送。寺田屋で負傷した龍馬はお龍と薩摩へ渡り、温泉などで傷を癒やします。霧島の山々を訪ねて天逆鉾を目にし、命を救われた自分にこれから何ができるか考えます。土佐では岩崎弥太郎が長崎で外国との取引に関わる仕事を命じられ、長州と幕府の対立も再び緊迫します。休息と次の使命を描く第3部の転換点です。

龍馬を福山雅治さん、お龍を真木よう子さん、岩崎弥太郎を香川照之さんが演じます。霧島への旅はドラマでは龍馬の決意を象徴する場面として描かれますが、史実の行程や山での具体的な行動を正確に再現したものと考えるべきではありません。政治活動の合間に傷を癒やし、夫婦で過ごす時間があったことを知れば、有名な幕末の志士にも日常や体調の問題があったと理解できます。

なぜ龍馬とお龍は薩摩へ向かったのか

高知県立坂本龍馬記念館は、1866年の寺田屋事件で負傷した龍馬が、薩摩藩の西郷隆盛や小松帯刀らの勧めもあって、お龍とともに薩摩へ傷の療養に出かけたことを説明しています。温泉で身体を休め、自然の中を旅することには、危険な政治活動から距離を取る意味もあったでしょう。しかし龍馬が完全に政治から離れたわけではなく、幕府と長州の対立は旅の間にも進んでいました。

この旅は「日本初の新婚旅行」と呼ばれることがありますが、当時のほかの夫婦が同じような旅行をした例が絶対になかったと証明することは難しいでしょう。龍馬自身が姉の乙女へ旅の様子を絵入りで書き送ったという記録が残ることに、歴史的な価値があります。宣伝上の呼び名だけでなく、実際の手紙から二人が何を見たかを知ることが大切です。

霧島山と天逆鉾の伝承

霧島には日本神話の天孫降臨に関わる伝承があり、高千穂峰の山頂には天逆鉾と呼ばれる鉾が知られています。ドラマの龍馬はこの場所を訪ね、自分の命と日本の将来を重ねるように描かれます。山の自然や信仰の場に触れることは、日々の政治活動とは違う視点を得るきっかけになります。しかし神話や後世の伝承を、史料で日付まで確定できる歴史上の出来事と同一視しないようにします。

霧島の山は標高が高く、天候が急に変わる環境です。現代の登山でも慎重な準備が必要な場所で、幕末当時の旅はさらに厳しいものだったでしょう。龍馬とお龍が山を訪れたことを描いた絵入りの手紙は、当時の移動の様子を考える貴重な手がかりです。ただしドラマの登頂順序や案内人との会話がすべてその記録どおりとは限りません。

龍馬は天逆鉾を引き抜いたのか

ドラマでは龍馬が傾いた天逆鉾を引き抜き、立て直して日本を変える決意を示します。お龍と山へ登った龍馬が鉾を動かしたという逸話はよく知られますが、現地にある鉾の現在の状態と、龍馬が行った行動を直接確かめられる範囲は区別する必要があります。映像作品で描かれた迫力のある動作を、必ず史実の細部と断定すべきではありません。伝承としての面白さと史料に残ることを分けて記します。

龍馬が一度命を失いかけた後に、社会を変える仕事へ改めて向かうという筋は、物語として説得力があります。しかし、特定の山頂で決意した言葉が本人の書簡に同じ形で残されているかは別です。作品の名場面を楽しみながら、実際の人物がどう考えを変えたかは複数の手紙と行動を通して理解する必要があります。

お龍は山へ同行したのか

ドラマでは女人禁制とされる山にお龍が男装して同行する場面が描かれます。霧島への旅に関するお龍の回想や龍馬の書簡は、夫婦の行動を考える資料です。しかし、山に登る際にどんな服を着たか、案内人が何を言ったかという場面を史実として確定するには別の裏づけが要ります。お龍は龍馬のそばで動き、危険な場面にも関わった人物であり、誰かの影にいるだけの存在ではありません。

当時の女性の行動には現代と異なる社会的な制約がありました。お龍の行動力を評価するときも、時代の条件を無視して「現代的だった」と片づけるのではなく、家族を支えたり、自ら動いて決めたりしていた場面に注目したいものです。ドラマの演出と史実の生活を区別すれば、人物としての魅力をより丁寧に捉えられます。

岩崎弥太郎が土佐商会の仕事へ進む

一方、土佐では岩崎弥太郎が後藤象二郎のもとで新しい仕事を任され、長崎で対外取引に携わる流れが描かれます。弥太郎の人生は龍馬と違い、藩の仕事や商業を通じて大きく動いていきました。土佐商会に関わった経験は、後に三菱の創業者として知られる弥太郎の商業活動を考えるうえで重要です。ただし、任命された場面での台詞や人物の感情はドラマの脚本として扱います。

龍馬が海軍と仲間の仕事を探し、弥太郎が藩の商業活動で能力を試されるという対比は、この作品ならではの構成です。二人の経済活動を比べる際には、資金を出す組織や責任を負う相手の違いを見ると分かりやすいでしょう。龍馬の亀山社中は薩摩や長崎商人の支援を受けており、弥太郎の仕事には土佐藩の制度と人脈が関係していました。

第二次長州征討が迫る

幕府は長州を討つため再び諸藩に出兵を命じました。薩摩は長州との協力関係を持っていたため、幕府側の求めに応じない方向へ動きます。龍馬は自らが薩長の間に立っただけに、長州が戦争へ向かうことを他人事として見られません。ドラマでは療養を終え、亀山社中の仲間とともに戦いへ関わる決意を固める展開になります。ここでも実際の戦争の時期と脚本の場面を分ける必要があります。

第二次長州征討は1866年に起き、幕府の軍事力と政治的な統率が問われることになりました。戦況は地域によって異なり、周防大島、芸州口、石州口、小倉口など複数の戦線がありました。後世には「四境戦争」とも呼ばれます。単に幕府と長州の一度の決戦だったと理解すると、戦争の経緯や結果を見落としてしまうでしょう。

第39話「馬関の奇跡」へ続く

次回は龍馬が亀山社中の船を率いて下関方面へ向かい、高杉晋作ら長州側の人々と行動を共にします。第38話の療養から第39話の戦いへの転換を見ると、龍馬が私生活と政治的な仕事の両方に向き合っていたことが分かります。第37話「龍馬の妻」では二人の関係と薩摩への旅を解説しています。

全48話のあらすじ一覧からは放送順に読むことができます。霧島での旅の場面と、長州をめぐる戦争の展開をつなげて見ると、第3部の終盤で龍馬の活動が大きく変わることが分かります。史実の龍馬が薩長同盟の仲介後にどのような仕事をしたかを、歴史カテゴリーの記事でも確認すると理解が深まります。

参考資料

夕暮れの船上で、巻物を前に新しい国の構想を考える幕末の志士を描いた創作イメージ

A VISION FOR TOMORROW

海の向こうに、
新しい日本を描いた

誰もが当たり前だと思っていた時代の仕組みを、
問い直す勇気が、未来を動かす。

※ 船中八策に着想を得た創作イメージです
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